日本人だって日本語が怪しい

日本人だって日本語が怪しい 

 

我々日本人は日本語のネイティブです。外国で日本語を学ぶ人にはきっ と憧れの存在なのでしょう。英語を学ぶ日本人が英語のネイティブに憧 れるように。英語を学習する日本人がネイティブの英語を目指している ように、彼らはネイティブ(日本人)のような日本語を話すことを目標に 日夜励んでいるはずです。 彼らは彼らにとって究極の目標である(日本語の)ネイティブ(日本人) は日本語を絶対に間違わない、日本人の日本語は常に正しいと思ってい るはずです。本当にそうでしょうか? どうも怪しい気がするので、ちょっとテストしてみましょう。日本語 のネイティブのみなさん、以下の日本語の中でおかしいものはどれでしょ うか? 

 

① ときには部長から叱られたこともあった。

② 人間は動物に虐待してはいけない 

③ これはどうも動かしようのない事実なのだ。 

④ 過去3年間の生活はまるですばらしかった。 

⑤ 毎日PC作業で、運動不足な毎日です。 

⑥ 6月に京都で国際大会に向けた準備が進行中だ。 

⑦ それからしばらく会社での仕事がバカバカしくなった。 

⑧ 花子は合格の知らせを受けた時、すぐ出かける準備をした。 

⑨ 竜巻の通過した地域の建物はすべて破壊した。 

⑩ 自然の驚くようなすばらしさを実感している。 

 

これは、PHP研究所から出ている「町田式―正しい文章の書き方」 という本から引用したものです。どれが間違いかお分かりでしょうか? 私もやってみましたが、結構間違いがありました。正解は「全部間違い」 です。なぜ間違いか知りたい方は町田先生のこの本をお読み下さい。 どうでしょうか。こうしてみると日本語のネイティブである日本人で あっても、その日本語力は相当疑わしいものであることにいやでも気づ かされます。上の問題を全て正解の人は大学で国語の教授に、逆に全問 不正解の人はもう一度中学校へ行って日本語を勉強し直すべきかもしれ ません。 それはともかくとして、普通の日本人の日本語はかなり怪しいという ことは理解しておいたほうがいいでしょう。公共放送でアナウンサーを 務めるほどの日本語力の持ち主であっても、時折間違うことがあります (種類としてはイントネーションの間違いが多いように思います)。英語 の本なのになぜ日本語の話を持ち出したか、次の項目をお読み下さい。