海外留学について

海外留学について

 

  すでに述べたように私は日本を出たことがないので、当然留学経験は ありません。だからひがみで言うわけではないのですが(笑)今のよう な海外留学をあおるかのような風潮には大いに疑問を感じます。中高生 については特にそうで、その一つの要因が機会均等の問題です。 留学するには大金が必要です。しかし、すべての学生が裕福な家庭に いるわけではないはずです。むしろ、留学させるだけの余裕がないのが 普通ではないでしょうか?そうすると、今のような「今の時代留学くら いしなくては…」といった風潮は多くの生徒にとって、心理的な負担に なると思うのです。 「朋子ちゃんのお家はお金持ちだから留学できた。でも私の家は楽で はないので、私は留学できない。お母さん、何でうちは貧乏なの?!」 などと聡子さんがお母さんを責めるかもしれません。こういう状況を作っ てはいけないと思うのです。 教育の機会は平等であるべきだと思うのです。したがって、そ れをさまたげるような昨今の風潮には甚だ疑問を感じざるをえません。 留学しなくては認められない、なんていうのは絶対におかしいはずです。 知りあいで、大金をはたいてアメリカの大学に留学した人がいました。 その人は某有名私大Wで講師をしていて、教授になりたいという夢をもっ ていました。 専門は消費者保護だそうです。大学で教授職につくには、アメリカの 大学での留学経験が必要ということだそうですが、まったく理解できな いことです。これは逆に考えればわかることです。もし逆にアメリカの 大学で教授になるには日本の大学に留学する必要があるとしたらどうで しょうか?まったく理不尽なことでしょう。 アカデミックな世界に限らず、留学したということがステータスにな ることがこの国では多いようですが、もうこういう風潮、ものの考え方 はやめるべきだと思うのです。実体がないのですから。 特に英語講師についてはこういう風潮が強いようです。留学したこと が採用条件になる場合もあるようですが、どこにいようと勉強する人が できるようになるのであって、留学すれば自動的に英語が上達するわけ ではありません。国際語である英語はどこにいても学習できます。 特に今はネットがあるので、離島でもそれほど苦労しません。やる気 と工夫です。留学しようがしまいが、どこにいよう が、努力する人が報われるべきだと考えます。