スピーキングの練習は一人でも可能

スピーキングの練習は一人でも可能

 

多くの人はスピーキングの練習は一人ではできないと思っているよう です。しかし実は一人でもスピーキングの練習は十分可能なのです。私 はこれをセルフスピーキングと呼んでいます。 一人で行うスピーキングの練習としては通訳の訓練に使われるシャドー イングがよく知られています。シャドーイングも一人で実行できるので これも広義においてはセルフスピーキングに入ります。シャドーイング もそれなりの効果はあるのですが、「自分で考えてしゃべる」わけではな く、他人の言葉を繰り返すだけなのでその効果には限界があるのです。そもそも英語でスピーキングするとはどういうことなのでしょうか。

 

スピーキングするということは冒頭でも少しふれたように、英単語を口 頭で並べるということです。従って英単語を口頭で並べる練習をすれば よいのです。 通常なら相手がいてそのやり取りの中で自分が何を話すか決るのであ る意味で楽ですが、一人でスピーキングする場合はこの話す内容を人工 的に設定しなくてはなりません。 具体的には、例えば道を歩きながら目にした光景や考えていることを 英語で話す(人目が気になるのであれば声を出さずに)、テレビのニュー スキャスターの読み上げるニュースを英語に変換して発声する、好きな ドラマの登場人物の話すせりふを英語に変換して発声する、などいくらでもあります。

 

文字で一番いいと思われるのが、子供向けの物語、例えば「フランダー スの犬」などです。これらは平易な日本語で書かれているので、実際の スピーキングで使われる文構造と同じくらいの文構造になっています。 たかが子供向けの絵本と侮ってはいけません。 これを瞬間的に英語に変換して発声するには相当なスピーキング力が 要求され、これが可能ならばスピーキング力はもう十分なレベルです。 うそだと思うならば試してみて下さい。 想像するよりもはるかに難しいことがわかります。新聞の読書欄も内 容によってはいいものもありますが、新聞社によっては文体的にこの訓 練には向かないものも多いので注意が必要です。 このように様々なセルフスピーキングの方法があり、一人でも練習で きるわけです。英会話学校へ行かなくても、本当にやる気があれば、セ ルフスピーキングをどんどん実行してスピーキングを上達させてくださ い。肝心なのはやるかやらないかなのです。 横峰良郎氏について プロゴルファー横峰さくら選手の父親である良郎氏は多くの人にとっ て見習うべきところがあると思います。それは「工夫と努力 」というこ とです。横峰一家は鹿児島県鹿屋市出身で、ゴルフ場に高いお金をかけ て通う一部のお金持ちとは違い、住宅の近くに自分でゴルフの練習場を 作ってそこで訓練を積み重ねてプロとなり、現在のように活躍している のです。 練習方法も独自の工夫を凝らし、例えば竹ぼうきでスイングの練習を したり、おもりを使った練習をしたりしたそうです。良郎氏自身はゴル フの経験がなく、すべて独学でプロゴルファー二人 (お姉さんもプロ ) を育て上げたのです。苦しい家計を支えるために弁当屋をやったそうで すが、今の日本でこのように創意工夫したり、強い信念を持つ人がどの くらいいるのでしょうか。 英語学習に限って言えば、留学したり、英会話学校へ行けば英語が上 達するという甘い考えを持つ人が多く、書店へ行けば「これをやればネイティブみたいになれる」類の本を買ったりします。 生活が豊かになりすぎて「 自分で工夫する、考える、努力する」とい う肝心なものが抜け落ちてしまっているのです。 環境がいいに越したことはないでしょう。しかし、環境がよくても自 分を磨くという意識がなければ、何事も絶対に向上しませんし、逆に環 境に恵まれなくても「 絶対にこうする」という強い意志を持てば道は開 けるものです。やるかやらないか、ここが肝心なのです。