論理をどう身につけるか

論理をどう身につけるか

 

ではどうすれば論理的な文章が書けるようになるかといえば、まずは 論理的な文章に多く触れることです。私は作家の立花隆さんが好きなの ですが、立花さんはこれまで多くの作品を手がけています。その中に 「僕はこんな本を読んできた-文藝春秋」というのがありその名のとお り、立花さんがこれまで読んできた本の紹介がされていますが、読むと普通の人(もちろん私も)は驚嘆するのではないでしょうか。 一か月に300冊、年間3600冊、30年で10万冊、ほとんど天 文学的な数字です。そしてこの膨大な量の書物の読破を経て自身あれだ け多くのしかも優れた著作物を生み出しているわけです。いい文章を書 くためにはいい文章を読まなくてはいけないということでしょう。 むろん、立花さんのまねは普通の人には絶対にできないでしょうが、 それでも読むことの重要性はいくら指摘してもしすぎることはないと思 います。書くためにはその何倍も読まなくてはならない。まずは読み込 んでおいてそれから書くという段階に移行できるということです。 私たちは子供の頃から簡単な書物を読み始めて年齢が上がるに連れて 段々難しい内容のものを読むように学校教育を受けているはずです。学 校で読む本だけでは不十分ですので、自宅へ帰って何か読書をすること が不可欠なのですが、ここできちんと読む人と読まない人の差が出てき ますし、また社会人になってからも差が出てきますので、年齢と共にそ れまでの読書量に大きな差がつき、必然的に国語力、論理力に差がつい てくるわけです。 高校生あたりに(あるいは社会人も)英語の読解を指導すると、国語力 のあるなしで、英文読解力に大きく差がつくことに気づくのはそういう 経験のある人ならみな知っているはずです。 もちろん、読むだけでなく書くことにおいても大きな差がついてきま す。なぜならすでに説明しましたように「 読む力=書く力 」だからで す。ですから、作文が上手になる最大の要素はたくさん読むことになる のです。そしてたくさん読むためには必然的にそれは国語で書かれた文 章ということになるはずです。 外国語なら読む速度が圧倒的に遅いので、そう多くは読めないからで す。ですから、作文の上達のためにはとにかくたくさん読んで論理力を 鍛えて下さい。この鍛えられた論理力はそれが何語であっても通用する はずです。