かっこいい発音より聞きやすい発音

かっこいい発音より聞きやすい発音

 

  今、カタカナ英語でもいい、発音は気にするなと言ったばかりですが、 しかし聞きやすく発音する事は非常に重要です。これは日本語を考えて もわかります。例えば、学校の授業などで、内容そのものがわからない というのとは別に「先生の声が小さい」「声が聞きにくい 」といった経験 はないでしょうか?私はあります。一番ひどかったのがある社会科の先 生でした。小さな、不明確な声でぼそぼそしゃべる。おかげでその科目 は不得意で単位まで落としてしまいました(いえいえ、こうやって責任 転嫁するのはよくありません。落とした私が悪いのです)。 日本語のネイティブの日本人であってもこのように人によって聞きづ らい、聞きやすいという差が出てきます。声量、声の明瞭さ、話す速度。 ネイティブの声よりもむしろノンネイティブの声のほうが聞きやすいと いうのは十分ありうることです。 もし、仮に㨀Vタレントのデーブ㧿さん(アメリカ人)があの先生の 代わりに教えていたのなら(この人の日本語はもちろん日本人のそれと は違いますがはっきり発音するので聞きやすい)私が単位を落とすこと も( いや、勉強しなかったのが悪いのです)、ついでに卒業延期になるこ ともなかったかもしれません。 それはともかく、これを例によって「 逆に考えて」みればネイティブ の英語よりもノンネイティブの英語のほうが聞きやすいことがありうる と気づくはずです。 今から二十年以上も前ですが、歌手の由紀さおりさんがテレビ番組の 中でオリビアニュートンジョンの「 ジョリーン 」を歌ったことがありま した。由紀さんは歌唱力に定評のある人で非常にきれいな歌に聞こえま した。 もちろん、ネイティブの発音ではありません。しかし、もし発音の悪 いネイティブがこの歌を歌うのとどちらが聞きやすいかと言えば、雪さ んのほうでしょう。それはD㧿さんの日本語が発音の不明瞭な日本人の 日本語よりも聞きやすいことを思えば容易に想像できるはずです。 本題に戻りますが、肝心なことは聞きやすいことです。かっこいい発 音である必要はノンネイティブである我々にはまったく必要ありません。 それは本質的なことではないのです。 ですから、発音がかっこいい、かっこよくない、で判断すべきではあ りません。そうでなく「 聞きやすい英語 」を話すように心がけるべきな のです。そのためには早口すぎず、遅すぎず(あまり遅いと聞いている ほうはじれますから(笑))、明瞭に話すことを心がけるべきでしょう。 それができたならばかっこよく話す練習をしてもいいかもしれません が。これは発音記号どおり、発音するというただこの一点ですのでそう 困難なことではないと思います。