集中することが一番大事

集中することが一番大事

 

  ①の対策としてなるべくたくさん聞いて慣れる訓練ですが流し聞きで は絶対に効果はありません。読解と同じ理屈です。英字新聞をただちら ちら眺めるだけで意味がわかるようになるでしょうか?もしそうなら非 常に楽ですが、残念ながらこれは絶対にありえません。 知らない単語を調べることも必要ですが、一番大事なことは集中する ことです。スポーツでも学習でも人間というのは集中しなければ、上達 しない仕組みになっています。集中してその意味をわかろうとしなけれ ば絶対にわかるようにはなりません。英語圏で生活することで聞き取れるようになるのは聞き取れないと支障が生じるので一生懸命聞き取ろう とするからです(話すのもそうですが)。 英語圏にいても現地の人と交流して話そうとしたり聞こうとしたりし なければ絶対に上達しないのはハワイに留学した従妹三姉妹(学校の成 績は決して悪くなかったですが)を見てよくわかりました。

 

一人は米軍 基地勤務ですが話せないのでストレスがたまるそうです。 電車内でのリスニングは効果がない 先述したことから必然的にこの結論が導かれます。電車内の騒音は相 当なものです。私もやったことがありますが、雑音がひどくてただでさ え聞き取りにくい英語が余計聞き取りにくくなり、効果はないと判断し、 すぐに中止しました。 読む力をつける場合、小さな読みにくい字で書かれた文章を読む人は いないでしょう。特にノンネイティブにとっては字が小さいと頭の中に 入って来づらいのです。 学習はなるべく環境をよくして実施することが望ましいのです。

 

リス ニングに関しても音声をはっきりと聞ける状況で実施して下さい。私自 身は中断したわけですがある会員の方から十年間電車内でリスニングし たが効果はなかったという話を聞いてやはりと思いました。電車内で十 時間やるよりも、静かなところで集中して十分やるほうがいいでしょう。 「速聴」「精聴」は不正確 ①を目的にしたリスニング訓練を速聴②を目的にしたそれを精聴と一 般に呼んでいますがこの用語では誤解を招きます。①を目的にしたリス ニング訓練ではスクリプトを使うことはありません。 慣れるのが目的なのでとにかくたくさん、しかしもちろん集中して意 100 味を理解しようとして聞くことになります。スクリプトで確認したので は量をこなせませんのでスクリプトは使用しません。 ②を目的にしたリスニング訓練ではスクリプトを利用してきちんと確 認してデータを蓄積します。もちろん集中しなくてはなりません。 どうでしょうか。こうしてみると①を実施する時のほうが②よりも早 いわけではないことがわかります。別に音声の速度を変えるわけではあ りません。早い遅いではなく、スクリプトを使うか使わないか、こなす 量が多いか少ないかの違いでしかありません。 また②のほうが①よりも集中して(よく演説でご精聴をと言いますが、 集中して聴くという意味ですね)聞くわけでもありません。

 

①②に限ら ず集中することが一番大事なことですから。 結論 速聴、精聴という言い方は間違いでスクリプトで確認するかし ないかの違いでしかない。確認すれば主にデータの蓄積になり、確認し なければ量をこなせるので主に慣れるための訓練となる。私は「速聴」 と「精聴」ではなく、スクリプトリスニング(L)、ノンスクリプトリ スニング(NL)という呼び方をしています。