英語は地域英語と国際英語の二種類

英語は地域英語と国際英語の二種類

 

  英語には二つの側面があると思っています。一つはアメリカやイギリ スなどで話されているその国の母国語としての英語。もう一つは国際的 な場(そこにいる人は必ずしもネイティブではない)で使われる国際共通 語としての英語。我々日本人が学習すべきは国際英語の方でしょう。これからますます国際化が進むであろうから英語はますます重要にな るなどといったことをよく耳にしますがもしそうだとすれば学ぶべきは 国際英語の方でしょう。国際化とはアメリカ化、イギリス化ではないの ですから。 「こういう場合アメリカ人はこう言う」などと得意顔で言う人がいま すが、こういう人は何か勘違いしていて、またなぜかこういう人に限っ て大して上手くないのです(失敬)。 英語のノンネイティブである日本人が学ぶべきはアメリカ英語(ある いはイギリス英語)ではなく、国際英語であるべきでしょう。国際英語 とはネイティブであってもそうでなくても通じる英語の事であまり込み 入った表現を使わない、わかりやすい英語のことです。一つ面白い話を しましょう。 今から二十数年前、まだ学生の頃、駅のホームでインド系の顔立ちを した女性から名古屋駅はどこですかと聞かれました。二つ目だったので私 はIt’s the next station but one. と答えたのです。このbutは御存知 のように前置詞で、~を除いてという意味です。従って、一つを除けば 次ということはつまり次の次、二番目の意味になるわけです。 これは受験勉強の時に覚えた表現で相手はネイティブ(御存知のよう にインドでは英語は公用語です)なので知ってるだろうと思って、ちょっ としゃれた言い回しをしたのですが、見事に(今思うとあの人はパキス タンかどっかの人だったかもしれませんが)通じませんでした。私はあ わててSecond,Secondと言い直して無事国際親善を果たしました。 この一件が私に教訓を与えました(少し大げさですが)。あまりやや こしい表現は使わない方がいいという事です。考えてみれば同じ日本人 でもあまり読書をしない人にちょっと難しい日本語を使えば意味が通じ ないことがあります。 これが英語でしかも相手がどこの国の人か分からない場合はなおさら でしょう。国際英語ではあまり込み入った表現は止めた方がいいのです。